2016年7月9日土曜日

【第一回】 大唐帝国 【中国史】

 読書のレビュー第一回は宮崎市定「大東帝国」


 日本の中国史家で、最後の大物ともいわれる宮崎市定。読んで楽しい歴史本の代表作といっていいでしょう。僕は、背表紙が壊れるぐらい何度も読みました。紛失以外で2冊目が必要な本は、この本ぐらいなものです。


 大唐帝国と書いてはいるものの、副題の「中国の中世」とあるように宮崎翁の考える中世全般についての概説・通説の書というのが実態ですね。後漢末から三国志、魏晋南北朝、隋唐、五代十国まで射程にはいっています。
 その中には、残酷物語もあれば、悲哀に満ちた物語もあり、そして蓋世の英雄たらんとした武将や非運に泣いた名臣、さらには、自己一身の利益のためだけに動いた悪者まで、さすが中国史といった人間ドラマに溢れています。


 これが史実で歴史なんだから、タマラナイです。




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