第四回は、少し趣を変えて、哲学者 野矢茂樹の「無限論の教室」を紹介したい。
どうも哲学というと重苦しい語感があるのだが、氏の哲学書に関しては、あくまで知的好奇心の発露というか、まぁ、きわめて軽妙で読みやすい。その中でも特に出色の出来といえるのが、頼まれもしないのに個人の趣味で書き上げてしまったという本書である。
本書の内容のほうはというと、数学と哲学の狭間、数理哲学が守備範囲となるのだろうが、実は、そんなことはどうでもよく、あくまで「考えること」の楽しさが満ち溢れている一書である。もちろん、実生活においては特に必要があるわけもなし、ここにあるのは、極めて純度の高い、「分からないこと」への挑戦といえよう。
哲学とはそもそもそういった学問であるかもしれない。
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