2018年1月8日月曜日

【第十七回】 親指はなぜ太いのか 【その他】

 一つの仮説の書として、なかなかスリリングな本と思います。

 もし、本書の通り、「骨猟(ボーン ハンティング)」がホモ・サピエンスへの進化の契機とするなら、なんとなく、我々の食の嗜好にも説明がついてしまう様に思いますね。我々は豚骨や鶏ガラスープが大好きですし、豆腐などのプニプニしたものや、場合によっては少し分解が進んだ肉なんかも大好きです。全部なんか、骨食や屍肉食に通じるところがありますね。ちょっと寒気がしないでもないですが。

 さらには、最近流行りの低炭素ダイエット(ロカボ)も同じ流れに位置付けることができます。つまりホモ・サピエンスの食事(ニッチ)としては、穀物食はあくまで副次的なものであって、その副次的なものを主食に据えてしまったから、血糖に問題が出てくるという理解です。

 さて、真実のほどは、どうでしょうか?

 ともかく、ググってみたらすぐに絶賛に近い書評がズラズラと出てくるほどの本で、それに間違いはないと感じました。非常にスリリングで挑戦的な良心的な仮説の書だとおもいます。

2018年1月6日土曜日

【第十六回】 日本語の歴史 【日本語】

  超久々のアップは「日本語の歴史」です。
  すごく網羅的な内容で、まさしく「概説」というところですかね。
大胆な仮説の書ではないのですが、日本語自体が非常にミステリアスな存在ですから、それでもグイグイ引かれるところがあると思います。

  ちょっと疑問なのは奈良時代の発音について、本当に手に取るようにわかるもんなんでしょうか?いや、まぁ万葉仮名の使い分けから「い、え、お」には、甲乙二種の母音があって合計8母音だっていうのは分かるんですが、その音を特定はできないんじゃないの、という話です。いま読み返してみると、母音に関しては、この「8母音」意外にも5母音説(今と一緒!)もあるって書いてあるので、結局はやっぱり不可知に属する問題なのでしょうね。

  あと、前から読み進めていくと、江戸時代辺りで急に「わかりやすく」なってくる感じも、現代日本語に近づいてきてるんだなって実感できてなんかテンション上がります。

  そんなこんなで、読んでて単純に面白い本ですので、おすすめです。