2019年2月4日月曜日

林檎社製品の中毒性に就て

前回、延口グループ(仮称)の温泉事業による顧客囲い込みの手法を暴いたが、よくよく考えると、より露骨とも言える囲い込みを実行している会社があることに思い至った。それはずばり世界的な電脳会社である林檎社(仮称)のことである。

そもそも私は、同社製品は敬遠し続けており、携帯電話やノートパソコンは、どちらかと言えば、ソニー製品でまとめるような傾向があった。それは仕事柄、同社製品を扱う厳しさを仄聞することもあり、あまり共感を持っていなかったことに加え、一方で「スタバ」なる美利堅発祥の珈琲館などでこれ見よがしに林檎社製品で仕事をしている風のサラリーマン風(だいたいピチピチの細身スーツと尖った革靴を着けている)の人が使っている様を半ば嫉妬心も抱きつつも、その押し付けがましいまでのスマート感に理由なき反抗を感じる側の人間であったからである。それが、ひょんなことからiPad Pro 12.9 Icnhを入手することになったことで、徐々に林檎社製品の中毒性のワナにはまっていく次第となったのである。

まず持って同社の狡猾なことは、iPad Proの最大の売りである「手書き」機能はiPad Pro本体を購入するだけでは、全く体験できないことにある。まずは大きな画面でネットやユーチューブなどを見れたら良いと思っているだけであったが、10万円程度する本体を手にして使い出してみると、そのシンプルなデザインの本体には、実は秘めたる性能が備わっていることにより、活用しないと勿体ないという気分にさせられてしまう。ペンシル自体も一万円を超える出費であり、文房具としての常識的にはあり得ない価格設定ながら、手書きで様々な草稿を書き、会社で打ち合わせに出てみたいという、好奇心に抵抗することはなかなかに難しい。こうした二律背反を乗り切って大枚を叩いて入手したiPad Proとペンシルを使ってみると、とくに「Good Notes」なる難しい英文の名称の課金アプリと併用することで、それが、手書きとほぼ同等の書き味を持ちつつ、拡大、縮小、切り取り、色変更などを素早く行うという手書き以上の便利さをもつ、究極に脳内の思考とシームレスなツールであることに気がついてしまうのである。すでに常識的なコスパ意識を乗り越えて入手した禁断の果実の味は、甘美という意外なかったのであった。


こうして禁断の園へと第一歩を踏み出した私が、次に目論んだのが、ノートパソコンからの完全なるiPadへの移行であった。無料のファイル管理アプリの「Documents」の使い心地がほぼノートパソコンに準じた出来になっているため、これは行けそうだと踏んだからであった。実際にやってみると、これは、予想通りというかそれ以上に存外に簡単で、ワイヤレスのキーボードを購入して、オフィスの課金版を導入するだけであった。ワイヤレスキーボードは、ロジクール社のものが、テンキー付きでiPad本体を立てけることもできるので便利である。これは実際は仕事は職業柄、自宅にて行う作業と言えばそもそも社内LAN環境がないためにWord,Excel、それにメールさえ使えればそれで事足りるということであったかもしれない。とにかく、マウスがない点がいかにも不便であるかと懸念されたが、それは長めの専用ペンシルがポインティングデバイスがわりも果たすことによって、不毛なる懸念に終わった。逆にマウスとキーボードの体制のパソコン入力より、ペンシルとキーボードの入力の方が、ペンを保持しつつも、テンキー程度は叩けるので、手を離す回数が減り、便利なぐらいである。ノートパソコンでテンキー付きとなると、クソ重く、起動も遅いので、いかにも仕事という気持ちを作らないと取りかかれないが、iPad環境にしてからというもの、その起動の速さから、特段のストレスを感じることなく仕事に取り掛かれるようになった。持ちろん、ワードエクセルもあるからには、通常の論文執筆などについても全く問題なく移行できたことは、いうまでもない。

こうして、ほぼノートとパソコンがiPad体制に一元化された私だが、次に目論む羽目になったのが、iPhoneとの連携である。これは、iPadのカメラは有能なものの、さすがに取り回しには、とくに外出時はあまりに大げさになってしまうので、iPhoneにその役目を担わせようということと、iPhoneからのテザリング機能で、外出先でもサッとワードエクセルを使ってメール確認がしたいということからであった。これについても、一番小さいiPhoneであるSEを購入することで、あっけなく実現した。一番大きな画面のiPadと小さな画面のSEは相性抜群で、今ではスタバならずとも、電波さえ届くところであれば、いとも簡単に快適な電脳環境が実現するようになった。とくにiPadからSEのテザリングを起動できる機能や、メモ・カレンダーの共有は、導入というほどもなく、もとから付いている機能といっていいほどで、無意識のうちに実現してしまっている自然さである。

こうして、気がつけば完全に林檎社の製品なしには、論考も仕事も進まないほどの中毒症状が進行することになってしまっていた。ふと我に帰れば、林檎社の新型iPadのレビューhpを開いているほどだ。おそらくこれまでの成功体験に味をしめ、無意識的にこの電脳環境をより快適にするべく情報収集しているのだろう。

以上、世界最強の囲い込みに成功しているであろう、林檎社による中毒症状についての一例を報告する。 写真は、患者の現在の病状を端的に示している。



0 件のコメント:

コメントを投稿